おたふくかぜ

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おたふくかぜ

おたふくかぜとは

おたふくかぜとは

おたふくかぜは、主に耳の下にある耳下腺が腫れて痛む病気で、幼児から小学生低学年の子どもがかかりやすいとされています。

こんな症状はありませんか?
  • 耳の下(耳下腺)の腫れと痛み(片側または両側)
  • 発熱(3〜4日間続くことが多い)
  • 頭痛
  • だるさ
  • 食欲低下

おたふくかぜに感染すると、通常16〜18日(最短14日、最長25日)の潜伏期間を経て症状が現れます。最も特徴的な症状は耳下腺の腫脹と疼痛で、片側または両側に現れます。同時に38〜39℃程度の発熱が3〜4日間持続することが多く、開口障害や嚥下痛、頭痛、全身倦怠感、食欲不振なども見られます。

おたふくかぜの感染経路

おたふくかぜの原因となるムンプスウイルスは、パラミクソウイルス科に属するRNAウイルスです。このウイルスは主に二つの経路で感染します。一つは感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む飛沫感染、もう一つはウイルスが付着した物に触れた手で口や鼻を触ることによる接触感染です。おたふくかぜの感染力は強く、発症の1〜2日前から発症後5日程度まで他人に感染させる可能性があるため、注意が必要です。

おたふくかぜの合併症
  • 無菌性髄膜炎
  • 難聴
  • 脳炎
  • 精巣炎(思春期以降の男性)
  • 卵巣炎(女性)
大人のおたふくかぜ

大人がかかると症状が重くなる傾向があります。次のような症状が見られた場合は、速やかに受診をしましょう。

  • 難聴、めまい、耳鳴りなどの症状
  • 妊娠中の感染(低出生体重児や流産のリスクが高まる可能性)

予防接種について

他のワクチンと同時接種可能のため接種回数を減らすことができます。卵アレルギーがある場合でも、通常はおたふくかぜワクチンを接種することが可能です。ただし、妊娠中や明らかな発熱がある場合は接種を避けるべきです。

1回目

1歳から接種可能

2回目

1回目の3〜5年後に接種推奨

大人の接種
  • 過去の接種歴や罹患歴が不明な場合は抗体検査可能
  • 2回接種していない場合は、28日以上間隔を空けて2回接種
予防接種の副反応
  • 接種後2〜3週間後に軽度の耳下腺腫脹や発熱が起こることがある
  • まれに無菌性髄膜炎(数千人に1人)を引き起こすことがある

おたふくかぜの診断

おたふくかぜの診断は、主に臨床症状に基づいておこなわれます。特徴的な耳下腺の腫脹と発熱の組み合わせから、経験豊富な医師であれば比較的容易に診断できることが多いです。ただし、必要に応じて唾液や髄液からのウイルス分離や血清学的検査がおこなわれることもあります。

おたふくかぜの治療

残念ながら、おたふくかぜに対する特異的な治療法はありません。そのため、治療は主に対症療法が中心となります。十分な安静と水分摂取を心がけ、必要に応じて解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を使用します。また、腫脹した唾液腺に対しては冷湿布などによる局所的な対処が効果的です。
重篤な合併症がある場合は、それぞれの症状に応じた専門的な治療が必要となります。例えば、脳炎や重度の髄膜炎の場合は入院での集中的な管理が必要となることがあります。

法律上の取り扱い

おたふくかぜは、法律上いくつかの重要な位置づけがされています。

感染症法

感染症法では5類感染症(全数把握対象)に指定されており、医師は診断後7日以内に保健所へ届け出る義務があります。

学校保健安全法

学校保健安全法では、おたふくかぜは第二種の学校感染症に指定されています。そのため、耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまでは出席停止となります。

予防接種法

予防接種法においては、おたふくかぜワクチンは現在定期接種の対象外となっており、任意接種として扱われています。そのため、接種費用は原則自己負担となりますが、一部の自治体では公費助成を実施しているところもあります。

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06-6912-4544