子宮頸がんの発がん因子として注目されているものは、性交渉によって感染する「ヒトパピローマウイルス(HPV)」です。このウイルスは人間にイボをつくるウイルス群で、なかでも悪性型と呼ばれる16,18,31,33,51,52型のウイルスが子宮頚がんの発生と関与しているといわれています。また、HPVが感染する部位によって、子宮頸がんのほかにも、肛門がん、膣がん、咽頭がんなどの原因となります。子宮頸がんの予防には、子宮頸がん検診の定期的受診やワクチンによってHPV感染を未然に防ぐことが効果的です。
HPVワクチンによって、HPVの感染自体を予防して前がん病変・頸がんを発生させないようにすることができます。現在、国内で使用可能なHPVワクチンは、4価ワクチンの「ガーダシル」と、2価ワクチンの「サーバリックス」の2種類。いずれも、HPV-16とHPV-18の子宮頸がんに対して免疫効果があるワクチンです。これらのワクチンを接種することで、子宮頸がんの発症を約6~7割ほど予防できると考えられています。