子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチン

日本における、子宮がんワクチンや子宮頸がんワクチンの接種割合は、1%に満たないといわれています。子宮頸がんは、250人〜300人に1人が発症し、そのうち150人が死に至るといわれているほど恐ろしい病気です。患者数・死亡者数とも近年増加傾向にあり、とくに、20歳~40歳台の若い世代での増加が著しいものとなっています。しかし、ワクチンを接種することで発症確率は75%根絶できるのです。病気になってしまってから後悔するのではなく、防ぐことができるのなら、今からでも遅くありません。ぜひ、ワクチン接種を考えましょう。

子宮がんとは

子宮がんは、子宮にできる悪性腫瘍です。子宮の入り口の部分、子宮頚部にできる「子宮頚がん」と、子宮奥の子宮体部にできる「子宮体がん」があります。どちらも鶏の卵の大きさほどの悪性腫瘍が子宮にできることでがんを発症します。

子宮頸がんとは

子宮頸がんとは

子宮頸がんの発がん因子として注目されているものは、性交渉によって感染する「ヒトパピローマウイルス(HPV)」です。このウイルスは人間にイボをつくるウイルス群で、なかでも悪性型と呼ばれる16,18,31,33,51,52型のウイルスが子宮頚がんの発生と関与しているといわれています。また、HPVが感染する部位によって、子宮頸がんのほかにも、肛門がん、膣がん、咽頭がんなどの原因となります。子宮頸がんの予防には、子宮頸がん検診の定期的受診やワクチンによってHPV感染を未然に防ぐことが効果的です。

HPVワクチンによって、HPVの感染自体を予防して前がん病変・頸がんを発生させないようにすることができます。現在、国内で使用可能なHPVワクチンは、4価ワクチンの「ガーダシル」と、2価ワクチンの「サーバリックス」の2種類。いずれも、HPV-16とHPV-18の子宮頸がんに対して免疫効果があるワクチンです。これらのワクチンを接種することで、子宮頸がんの発症を約6~7割ほど予防できると考えられています。

子宮頸がんワクチン 年齢

推奨年齢は、小学6年生~高校1年生相当の女子です。ワクチンは、早ければ早いほど効果があると考えられています。中学1年生になったら初回接種を受け、1~2ヵ月の間隔をあけて2回目、初回接種の6ヵ月後に3回目を接種します。3回接種しないと抗体がつかず、十分な予防効果が期待できません。

子宮頸がんワクチン 中学生

未成年の方は、原則保護者の同伴が必要です。まず、通常通り来院して頂き、医師のカウンセリングを受けます。その後、ワクチンの効果や副作用、接種方法などについてお話させて頂き、患者様と保護者の理解を得たうえで、適切な接種を行います。

子宮頸がんワクチン 接種率

海外では高い接種率を達成している子宮頸がんワクチンですが、国内では、2013年頃、子宮頸がんワクチンは国がはしかや風疹などと同じ、公費で助成する定期接種に加わりました。しかし、当初、最大で70%以上あった接種率は、今や1%未満に激減。その存在すら知らない人も出てきています。その背景には、さまざまなことが挙げられますが、年々高まる子宮頸がん発症の予防のために、不安のある方は遠慮なく医師にお尋ねください。

子宮頸がんワクチン 副作用

子宮頚がんワクチン接種が原因で不妊になることはありません。ワクチンに含まれる「アジュバント」は「免疫増強物質」といって、ワクチンの効果を高めるための物質で、その成分は安全です。ただ、接種したことにより局所が痛むといったことはありますが、ワクチンを打つ場所を痛みがあまり感じられない部分に変えるなど、痛みを抑える工夫があります。

厚生労働省が推進する「子宮頸がんワクチン」

子宮頸がんの発症は、年代別にみると、20代後半から増えていき、40代以降に発症するケースが多いです。しかし、最近では、20〜39歳の若い年齢層が増加傾向にあります。そんな背景もあり、厚生労働省では、子宮頸がんに関する相談を受け付ける「感染症・予防接種相談窓口」を設置しています。子宮頸がんは、早期発見によって治癒しやすいと言われるがんです。病気に関する正しい知識を得て、適切なワクチン接種を心がけましょう。

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