喘息の発作が起こった場合、最も早く効果が現れる薬が「β2刺激薬」です。ガイドラインでも、発作が起こった時には「β2刺激薬」を繰り返し吸引するようにとの記載があります。しかし、一般診療では「β2刺激薬」の吸引が実践されていないケースも多く見受けられます。日本国内では、初回に「β2刺激薬」を吸引させて効果が現れなかった場合には、「アミノフィリン点滴」を使用する小児科の医師が多いとされています。
以前、「β2刺激薬」を携帯型の吸入器で過剰に使用することと、喘息による死亡との間に因果関係があるのではないかという議論がありました。これに関しては、いまだに明確な結論は出ていないのですが、「β2刺激薬」そのものに原因があるのではなく、吸引器に頼り過ぎることが原因の1つではないかと考えられています。「β2刺激薬」の吸引に頼り過ぎると、気管の炎症が重度化する可能性があります。しかし、発作が起こって苦しい時に、「β2刺激薬」を吸引することが悪いわけではありません。吸引器に頼り過ぎないように、適切な予防治療を行った上で、必要な時に正しく使用することが大切なのです。