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手足口病
手足口病とは
手足口病は、主に夏季に流行する感染症で、口の中や手足に水疱を伴う発疹が特徴的です。主に2歳以下の子どもに多く見られますが、小学生でも流行することがあります。成人の発症は比較的稀です。これは、多くの大人がすでにウイルスに対する免疫を持っているためです。
手足口病の原因となるウイルス
主にコクサッキーウイルスA6(CA6)、CA16、CA10、エンテロウイルス71(EV71)などです。これらのウイルスは、それぞれ少しずつ異なる症状や重症度を引き起こす可能性があります。
手足口病の発生状況
手足口病は例年、夏を中心に流行し、7月下旬にピークを迎えます。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行以降、その傾向に変化が見られています。2020年は例年より大幅に減少し、2021年から2023年は9月から10月にかけてピークを迎えるなど、例年とは異なる傾向を示しました。2024年は、新型コロナウイルス感染症流行前とほぼ同様に4月頃から報告数が増加しており、過去5年間の平均を上回る水準で推移しています。
手足口病の典型的な症状
感染から3〜5日後に症状が現れます。典型的な症状には次のようなものがあります。
- 口の中、手のひら、足の裏や甲に2〜3mmの水疱を伴う発疹
- 軽度の発熱(38℃以下が多い)
多くの場合、3〜7日程度で自然に治癒します。しかし、まれに重篤な合併症を引き起こすことがあるため、注意深い観察が必要です。特にエンテロウイルス71による感染では、中枢神経系の合併症のリスクが高くなります。
また、近年では感染後1か月以内に手足の爪が一時的に脱落する症例も報告されていますが、これは自然に回復するとされています。
手足口病の感染経路は3つ
特に保育施設や幼稚園などの集団生活の場では、子ども同士の濃厚な接触や衛生観念の未発達により、感染が広がりやすくなります。
- 飛沫感染
- 接触感染
- 糞口感染(便中のウイルスが口に入ることによる感染)
手足口病の治療方法
手足口病に対する特別な治療法はありません。基本的には軽症であるため、症状に応じた対症療法と経過観察が主な対応となります。
このような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください
- 高熱が2日以上続く発熱
- 嘔吐
- 激しい頭痛
- 意識障害(視線が合わない、呼びかけに反応しないなど)
- 呼吸困難
- 脱水症状(水分摂取不足、排尿量の減少)
- 著しい倦怠感
手足口病の予防と対策
- 流水と石けんでしっかりと手を洗う
- タオルの共用を避ける
- 排泄物の適切な処理(特におむつ交換時は注意)
現在、有効なワクチンや予防薬はありません。また、感染後も長期間ウイルスを排泄する可能性があるため、発症者の隔離だけでは十分な予防にはなりません。日常的な衛生管理が最も重要です。