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熱性けいれん
熱性けいれんとは
熱性けいれんは、主に生後6ヶ月から5歳くらいのお子様に見られる症状です。急な発熱に伴って、意識がなくなったり、体が硬直したり震えたりします。通常、38度以上の熱が出たときや、体温が急に上がったときに起こりやすいです。
日本では100人中8人くらいのお子様が経験するといわれています。欧米では100人中3人程度なので、日本人の子どもは比較的なりやすいようです。
熱性けいれんの大切なポイント
- ほとんどの場合、小学校に上がる頃には自然におさまります。
- 半分くらいのお子様で、2回以上起こることがあります。
- 100人中3~5人くらいのお子様が、将来てんかんになる可能性があります。
熱性けいれんの原因
お子様の脳は発達途中なので、急な体温の変化に弱いのです。そのため、熱が急に上がると脳が過敏に反応してけいれんを起こしてしまいます。
また、ご両親に熱性けいれんの経験がある場合、お子様もなりやすい傾向があります。
熱性けいれんの原因となる病気
- 突発性発疹
- 夏風邪
- インフルエンザ
- その他、高熱を出す病気
熱性けいれんの診断方法
熱性けいれんは、熱の原因となっている病気を調べます。また、他の重い病気との区別も同時におこないます。
- 血液検査
- 髄液検査(必要な場合)
- CT・MRI検査(必要な場合)
- 心電図
- 脳波検査(てんかんとの区別に重要)
熱性けいれんの症状
- 体が硬直して突っ張る
- 手足がぴくぴくと震える
- 最初は硬直し、その後震え出す
医学的には「単純型」と「複雑型」の2つに分けられる
単純型(10人中8人くらい)
- 熱が出てから24時間以内に起こる
- 体全体がけいれんする
- 数分で収まる
- 24時間以内に繰り返さない
複雑型(10人中2人くらい)
次のうち1つでも当てはまる場合に診断されます。
- 15分以上続く
- 体の一部だけがけいれんする
- 24時間以内に何度も起こる、または熱が出てから24時間以上たってから起こる
けいれんが起きたときに注意するポイント
- お子様の体や顔を横向きにして、吐いたものを飲み込まないようにする
- 通常は数分で自然におさまるので、落ち着いて様子を見る
- 5~10分以上続く場合は救急車を呼ぶ
熱性けいれんを予防するには
- ジアゼパムという座薬が効果的(37.5~38度くらいの熱が出たら使う)です。
解熱剤を使ってもけいれんは予防できません
予防接種をうけるときには
熱性けいれんの経験がある場合、ジアゼパム座薬を用意して接種することもあります。
熱性けいれんを起こしたあと
多くの場合、大きな問題なく成長します。年齢が上がるにつれて、起こりにくくなっていきます。
ただし、次の場合はてんかんになる可能性が少し高まりますので継続して脳波検査をおこないます。
- 複雑型の熱性けいれんを起こした場合
- 家族に熱がないのにけいれんを起こす人がいる場合
- 1歳未満で初めて起こった場合